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【R5葛高203・生徒ライター】ブラジル留学している生徒から

    3年生の伊藤空です。現在、AFS日本協会の留学プログラムを利用してブラジルに留学しています。ブラジルでの生活などをみなさんに共有したいと思います。是非ご覧ください。

1   留学を決めたきっかけ
    幼い頃から家族が留学生のホームステイを受け入れていたので、日常的に海外の人と触れ合う機会が多くあり、自然と海外に興味がわきました。また多言語クラブに入っていたため、英語以外にも様々な言葉で遊びました。そのクラブにはYear Long Programという1年間の留学をする高校生がたくさんいたので「いつか自分も留学したいな」と思っていました。小学生の僕にとって高校生はとても大きく遠い存在だったので「遠い未来の話だから、行けたらいいな」程度にしか考えていませんでした。
    中学生になって、息苦しい中学校から逃れて長期で留学したいと思い相談しましたが、1年間の夢は叶いませんでした。代わりに、夏休みを利用して1ヶ月間ニュージーランドに1人で行き、現地の中学校に通いました。
    高校では1年間留学できるようにと考え、くずまき山村留学生として葛巻高校に入学しました。最初の1年は風のように過ぎてしまい、留学熱は消えかけていました。2年生になる頃、ふとYouTubeで海外のVlogを見ると「やっぱり留学したい!」と思い、すぐに母親に連絡しました。母には「したいならすれば」と言われ、そこからは母親の協力でどの団体で行くかを決め、書類手続き、英語テストなどをしました。アメリカやカナダなどよく聞く国ではなく、あえて第1希望は面白そうなブラジル、他もほぼすべて中南米の国を選びました。もしあの時、海外のブログを見ていなかったら、留学をあきらめていたかもしれません。

友人との旅行で記念撮影

2   留学先の国や文化について
    ブラジルは面積が世界5位の大きな国です。アマゾンやカーニバルなど世界的に有名で、魅力が詰まっている国です。移民大国なので、文化が混ざり合って誕生したブラジル特有の民族劇や民族舞踊があります。僕はCaicóという北東部の小さな町に留学しています。赤道が近いため1年中暑く、昼は36~40℃が普通です。そのため暑い中クリスマスソングが流れ変な感覚でした、クリスマスなのに寒くて人恋しくなることもありません(笑)
    ブラジルの主食は、お肉と豆と米です。肉を焼いたシュラスコは毎日食べます。国民食とも言えるフェジョアーダは、黒インゲン豆とソーセージや豚肉・牛肉を煮込んだ料理です。昔奴隷として連れてこられたアフリカ人が、主人が食べない捨てる部分を煮込んで作ったと言われています。最初の頃は独特な味であまり好きではなかったのですが、今となっては毎日食べるほど好きになりました。ブラジルは国民性が本当に優しく温かいです。また、本当にパーティー好きであり、年中通してパーティーがあります。

クラスメイトとは仲良し

3  留学先の学校生活、授業について
    学校は朝の7時に授業が始まり、昼の12時30分に終わります。朝が早いので休み時間に間食時間があります。また、安全のためにボディーガード2人が常時入口の門にいます。銃を持ったセキュリティーの人が8人体制で見張っていた時期もありました。
   日本の学校とは違い、授業ごとに出欠席をチェックするので、もし遅刻した場合は授業の途中から入ることはできません。自分に必要じゃない授業は受けずに外で寝ることも可能です。日本と特に違う点は、飲食が自由にでき、髪色やネックレスなども全部自由です。トイレに行くときにわざわざ先生に確認する必要もありせん。
    ブラジルの授業は本当に自主的なのが特徴です。先生が話していても質問が飛び交います。ですが、ふざけたり遊びたい派の男子がいるのも事実で、プリントを丸めて投げ合ったり大声で喋ったり床で寝てたりと様々です。真面目に授業を受けたい人が「だまれ」と大声で叫んで静かになり、毎回5分後にはまたうるさくなるの繰り返しで、まるで動物園のようです。今まで学校で沈黙は1度も見たことがありません。
    休み時間は音楽をかけて踊ったり歌ったりと色んな人がいます。音楽がなくても、机を叩いてリズムを作りダンスをしているのをよく見ます。

フットサルの試合に出場 決勝戦

4   留学先のホストファミリーについて
    僕のファミリーはお父さん1人だけです。ですが、留学の半分はスペインの留学生Joelと一緒の部屋でファミリーとして過ごしました。Joelはもうすでに帰国しているので、今は僕とホストファザーだけです。Joelが帰国した時はショック過ぎて、Joelが帰国準備しているのを見て号泣しました。泣き止むことができずにそのまま号泣しながら学校に登校したのも、今となってはいい思い出です。それくらい本当に大事な存在でした。僕は今までは、人前で泣くことは恥ずかしいことであり、男なんだから泣かないと考えていました。ですが、感情を表現することは良いことであり、心から泣きたいときは泣くべきだと教えてくれたのはJoelでした。
   そして僕のホストファザーは父親というよりも友達みたいな関係です。ジョークや恋愛話も笑いながらよく話します。ホストファザーはゲイなのですが「この男性どうかな?」と相談されたり、逆に「この女の子かわいくない?」と全部を話せるとても深い仲です。ジェンダーについて考える機会が多く学びが多くあります。一緒にパーティにも行きます。

パーティーが日常の生活

5   留学して学んだ、成長したと思うこと
   視野の広い人間になったと思います。海外留学では、英語力を向上させるために語学留学で英語圏へ行くことが多いかもしれません。私は英語圏ではなく地球の裏側の中南米で多様性を学び、日本では考えられないことばかり体験しています。そして、物事を表面上でしか考えていなかったことに、留学を通して気づきました。例えばブラジルは貧富の差が激しく、ホームレスやお金に困っている人が大勢います。スーパーや銀行の前に座っている人に「お金を恵んでください」と言われるのは日常です。ある日「なんでこの人達は働かないんだろう。お金を恵んでくれと乞うなら、働けばいいのに」と疑問に思いました。日本では働こうと思えば色々な働き口があります。色んなところが人手不足で、アルバイトのアプリで簡単に仕事を探すことができます。働こうとすればすぐにでも働けます。ではなぜブラジルの貧しい人は働かないのか、それは働けないんです。「貧困層が多すぎるために、働きたくても仕事がない」と知りました。
   「そんなの少し考えたら分かる」と思う人もいるかもしれません。ですが僕は日本で生きていたために、そんな簡単なことも分からなかったのです。今までブラジルは貧富の差が激しくホームレスの人が多いと分かってはいたのですが、それは表面上の理解であり、なぜそうなってしまうのかを理解できていませんでした。実際に見て感じて考えて、より深く理解することができました。

ブラジルの民族生活の体験のときの写真です。ちなみに、赤く塗ってあるのは自然の木の実から取った着色です。

6  将来の進路やビジョン
   1月に帰国して、2月・3月で大学受験をする予定です。総合型選抜を使いたかったのですが、帰国する日程だと間に合わないため一般選抜で頑張ります。留学経験を活かして、ブラジル・ポルトガル語専攻または国際学部を志望しています。
   元々は勉強が好きではなく就職希望で、専門学校もいいかなと思ったこともありました。ですが、将来を考えたとき自分がやりたいことができるのは大学だと考え直し、留学を通して大学進学を決心しました。留学してからより一層「人生一度しかないんだから、やりたいことをやってみよう」と考えるようになりました。最終的には「海外に住みたい」というのが僕の夢です。そのためには基本の英語を勉強するのは当たり前ですが、その前に海外で彼女を作らないといけませんね(笑)

7  葛巻高校のみんなへメッセージ
    1年生は初めまして。2年生3年生は、お久しぶりです。ここまでいっぱい書いてきましたが、最後に僕がみんなに伝えたいことは「いつまでも子どもの心を忘れないでいよう」ということです。子どもの頃は、何にでもチャレンジして怒られたと思います。土やおもちゃを口の中に入れて「これは食べては駄目」だと知り、成長していったと思います。それと同じで、やりたいと思ったらまずやってみることが大切だと思います。「留学したい」と言ったときには、色んな先生から「大学に行ってからでいい」と言われ、高校で行くデメリットも話しました。ですが、高校で行くからこその意味もあります。高校生でブラジルに1年間行くチャンスは、一般的にはまずないことです。人にはない自分だけの何かを掴むことが、この留学でできました。よく「やらない後悔よりもやった後悔の方がいい」と言われますが、本当にその通りだと思います。チャンスは絶対に転がっているので、それを行動に移して、一度しかない人生を楽しみましょう!!
   僕が留学に行こうと思ったキッカケになったのは海外留学のVlogです。そのVlogを僕もブラジルで作ってみたので、是非見てみてください!もしかしたらまた誰かの新しいキカッケになるかもしれないですからね。


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