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【葛高】ローカル5G通信環境を用いて3.11の教訓を学び、自分達の地域、そして日本、世界に活かす。

 令和5年2月16日(木)、復興教育の一環として、岩手県科学・情報政策室の方々、NTT東日本の方々の全面的なバックアップをいただき、葛巻にいながら遠方の場所を見学したり、遠方の方とワークショップを行いました。

東日本大震災津波伝承館の遠隔見学

 まず初めに、本校と陸前高田市にある東日本震災津波伝承館をローカル5G環境でつなぎ、遠隔見学を行いました。

遠隔見学の様子
津波の様子を伝える動画を視聴しています。

 今回参加したのは高校1年生と2年生。
 東日本大震災が起きたときには、4、5歳頃。大人たちにとっても凄まじい恐怖を感じましたが、小さい子供たちにとってはもっと恐怖があったに違いないでしょう。

 あまり確かな記憶がない生徒もいたようでしたが、今回の伝承館の見学、津波の様子動画で視聴することで、改めていろいろな気づきを得たようでした。


岩手大学地域防災研究センター越野修三客員教授とのオンラインワークショップ

 その後、岩手大学地域防災研究センターの越野客員教授とオンラインで地域の防災、減災についてのワークショップを行いました。

 今回参加した生徒は、出身地がそれぞれ違い、それぞれの出身地だったらどうやって防災・減災するかを越野先生とともに話し合いました。

 ワークショップの中で、越野先生から『一番の防災・減災は、この3.11に起こったことを忘れないこと』というお話が印象的でした。生徒の感想の一部を以下のとおりです。ぜひご覧ください。

生徒の声

<津波伝承館の遠隔見学について>

・東日本大震災があった時は、埼玉にいたから東北の人ほど被害はなかったし、むしろ記憶が無いくらいだけど、どれだけ大きな地震だったのかを実感できた。今日の遠隔見学の中で「100回逃げて、100回津波が来なくても、101回目も逃げて」と言う石碑に彫られた言葉がいちばん記憶に残っている。自分は大きな地震を体験したことがないからこそ、危機感が足りないなと感じている。東北に来たのは葛巻が初めてだけど、東北に来たからこそ、防災の大切さを学び家族や友達に伝えたいなと思った。

・津波の伝承館があることを今回初めて知りました。実際にオンラインで見学してみて、震災当時のことを思い出しながらとても怖くなりました。当時まだ4、5才でしたが、当日の記憶だけ色濃く覚えているので、自分の記憶と照らし合わせながらとても勉強になる見学でした。

<越野先生とのオンラインワークショップについて>

・語り継ぐのは若い世代のほうが心に残りやすいとおっしゃっていて、たしかにその通りだと感じました。災害が少ない場所だからこそ、いざという時のために私たち高校生を中心として活動していくことが大事だとわかりました。色々な場所から人が集まっている葛巻高校だからこそ、いいディスカッションができたのではないかと考えました。

・葛巻のハザードマップを恥ずかしながら見たことが無かったので、今回のワークショップで初めて見てみて、ほとんど被害がおよぶことを知りました。高い山に囲まれているからこその土砂崩れや、水の逃げ場がないからこその浸水が街全体に被害をもたらすことを知って、今までそのことを知らなかったことがとても怖くなりました。越野先生のお話は実際に見たからこそのお話ばかりでとても勉強になりました。

・前に授業で「葛巻は大きな災害が来たことがない。だから安全だ」と聞いた。しかし越野先生の話を聞くと、葛巻も十分危ない。土砂崩れが起きるかもしれない。近くを流れる馬淵川が氾濫するかもしれない。それを知らなかったら大雨の時にどこへ逃げたらいいのかわからないし、もしかしたら逃げ遅れて命を落とすかもしれない。そう考えると、自分の命は自分で守らなければいけないので、しっかりハザードマップを見たり知識を得たりする必要があるなと感じた。

<今後にどう生かすか>

・まずは、家族に今日あったことを話して、友達にも伝えられるといいなと思いました。

・スライドで見るだけでなく、実際に体験してみることが成長につながるとわかり、何事もチャレンジが大切だとわかりました。自分が考えている進路とは違う講和でしたが、色々なことに触れることで視野が広がって、新しい道が開けると感じたので積極的にアクションを起こしていければいいと思いました。

・地震や大雨などの災害はいつ起こるのかわからないので、万が一に備えて、色々なことを調べたいなと思った。また家族や友達にも、防災の大切さを伝えたい。その第1歩として、家庭科で作った防災ボトルを一緒に作れたらいいなと思った。

・自分だけとは思わず、常に防災を意識して生活していきたいです。


 未曾有の大震災から、もうすぐ12年が経とうとしています。高校生たちはこの実証実験を通して、「防災・減災」「忘れないこと」「伝えていくこと」を改めて大切なことなんだと感じたようでした。

 改めまして、岩手大学地域防災研究センター越野先生、岩手県科学・情報政策室の皆様、NTT東日本の皆様、今回のような貴重な体験をする機会をいただき、ありがとうございました。

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