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【R6葛高069・orange】オレンジ色の風に乗せて(文月)~野生動物~

 ニホンジカ、カモシカ、イノシシ、シマヘビ、これらの動物の共通点は何か。答えは、葛巻高校の敷地内で確認された動物たちである。学校周辺の景色を見るに、これらは学校周辺に生息している動物のごくごく一部であることは明らかであろう。

 さて、近年、人の住むエリアに、クマやイノシシが紛れ込むというニュースが多くなった。思いもよらないところで突然クマに会った人間は驚くであろうが、これはクマだって同じではないだろうか。クマからすると、今、目の前の人間がどれほどの攻撃性を持っているのかは未知のはず。クマが人間のことを、己の命を脅かしかねない生物と判断した時、クマの心中にも「恐怖心」や「緊張感」が充満するのではないだろうか。そして、クマも相当な覚悟で、必死に身を守ろうと行動を起こすのであろう。

校庭

 クマに限らず、思いもよらず野生動物と近距離で対峙した時、私たちはどういう行動をとるべきか正しい知識をもっていることは、豊かな自然の中で暮らす者として大切なことである。正しい知識がないということは、万が一の場面で身の安全を守ることができないというだけでなく、野生動物を必要以上に恐れたり、誤った対処をしてしまうことに繋がったりと、人間と野生動物の関係悪化の負のスパイラルに陥りかねないと思うのだ。

 そこで、自治体や山岳関係のホームページなどで確認できる、野生動物に遭遇した時の対処法についてまとめてみたので以下に紹介する。ただし、相手が野生動物である以上、こうすれば絶対大丈夫ということはないという前提で確認してほしい。


クマ(ツキノワグマ)について

 走って逃げてはいけない!背中を見せない!目を離さず静かにゆっくり後退する。クマが攻撃してきたら両手で顔や頭部をカバーする。体を丸くして地面に伏せて防御する。

イノシシについて

 近づいたり、棒などを使って追い回したり、石を投げたりすると、イノシシが興奮し人に危害を与える可能性があるので、そのような行為はしない。イノシシがこちらに気づいていない、イノシシとの距離が十分ある場合、静かにその場を立ち去る。もし、イノシシが近づいてきても、慌てずにゆっくりと後ずさりして離れる。

ニホンジカについて

 野生のシカは基本的に非常に臆病。大声を出すなどして脅かしてはいけない。静かにその場を立ち去る。

カモシカについて

 カモシカは人に危害を与える動物ではない。ほとんどの場合、人を見掛けると山に帰っていく。(1近づかない 2逃げ道をふさがない 3立ち去る・見守る・おどろかせない)

カモシカ

シマヘビ(蛇)について

 蛇は基本的に臆病な性格。また、日本に生息している蛇にとって、人間は捕食対象ではないため、積極的に襲ってくることはあまり考えられない。蛇に咬まれるのは踏んだり触ろうとしたりするときが多いため、とにかく近づかないようにする。


 大学時代、カモシカの観察をするために山の中を歩き回った。カモシカに会える確率は10回に一度あるかないか。運よく会えたときはカモシカに気づかれないように静かにカメラを向け、夢中になってシャッターを切った。そんな経験からか、校庭にカモシカがいるという情報があれば、「気をつける」というよりは「いなくなる前に会いたい」という気持ちになる。人の気配に気づけばすぐにいなくなってしまうのだから。

 クマなどの野生動物が人間の生活圏に出没すること以外にも、ニホンジカによる森林被害など人間と野生動物の間には、今、複数の問題がある。それらの背景には、気候変動が生態系に与える影響や人口減少にともなう里山などの手入れの問題など、様々な要因が関係している。これらの課題の解決に向けてどうすればよいのか、探究活動のテーマとして取り組んでみるのもよいのではないだろうか。

書き人知らず


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