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【R6葛高096・orange】オレンジ色の風に乗せて(葉月)~異常気象~

 夏や冬に「異常気象」という言葉を頻繁に耳にするようになったのはいつの頃からか。少なくてもここ2、3年の話ではなく、10年以上も前からその言葉を聞く回数は増え始めていたように思う。そうなると、何が異常で何が正常なのか、その境界はどこまでも曖昧になってくる。そもそも、「異常気象」という言葉は、気象庁では、原則として「ある場所・ある時期において30年に1回以下で発生する現象」だそうだ。

 今年の夏も、記録的な高温、ゲリラ豪雨(一部の報道機関で使用しているが、正式な用語ではない)、線状降水帯の発生など、地球温暖化が原因と疑われる現象が、日本の各地で観測されている。30年に1回以下が異常気象と言うのなら、もうすでに、異常な高温やゲリラ豪雨などの現象は、異常気象という言葉が当てはまらなくなってきているのかもしれない。

 さて、真夏の太陽が西の地平線に沈み、あたりが暗くなり少し涼しくなってきたところで夜空を眺めてみる。わし座アルタイル、天の川を挟んでこと座ベガは七夕の主人公。そこに、はくちょう座デネブを加えると夏の大三角が完成する。小学生の頃に理科の授業で習ったが、当時、星空を見て目的の星を探しだすのは難しく、星に詳しい人に教えてもらうとして、指をさして「あれがアルタイルであれが・・・」と説明されても、どの星を指さしているのかが極めてわかりづらいのである。天を流れる天の川も、いくら目をこらして頑張っても見えたためしはない。そうしたことから、星の名前や星座を特定しながら、じっくりと星空を観察した経験は、実はあまりないのである。

 あれから40年(どこかで聞いたセリフ)。最近のデジタルカメラは、肉眼では普通見ることができない天の川をきれいにとらえることができるようになった。天の川を撮影した写真入りのポスターを見かけることもしばしばある。今年の春、葛巻町の標高1000m付近の道を車で走ったり歩いたりしている中で、ふと、葛巻町の星空はきれいに違いない!という確信めいたものを感じた。葛巻町の星空を写真に収めてみたいと思うようになって数か月、今、準備を着々と進めている。星空の撮影は、日中や照明のある場所での撮影とは異なり、出来栄えにこだわると相当な撮影技術が必要であり、加えて星空に関する知識も必要なのだ。今回は星空の写真をここに紹介することはできないが、今、少しずつ蓄えている撮影技術と知識が一定量に達したとき、1枚の写真として、葛巻町の美しい星空を皆さんに紹介したいと思う。

 ところで、いい写真を撮るために一番大切なことは、実は優れた撮影技術でも星空の知識でもないとのこと。天の川をきれいに撮影するためには、月明かりのない夜であること、快晴であること、空気が澄んでいること、この3つの条件が整うことが大切なのだそうだ。この条件を満たす30年に1度の星空が広がってくれるのならば、異常気象も歓迎するのだが。

書き人知らず


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