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【R5葛高058・orange】オレンジ色の風に乗せて(水無月)~ 雨 ~

 旧暦の6月(水無月)は、現在の6月下旬から8月上旬頃にあたり、夏の季節の最後であった。今の6月は梅雨の時期なので、「水無月」という表現には、違和感があった。「水無月」の由来には、水が涸れるような暑い時期だからという説、水田に水を張るから田んぼ以外に水がなくなるからとする説、「無」が助詞「~の」という意味だから、水の月とする説と幾つもの説があるというが、残念ながら本当のことを知る術を私は持ち合わせていない。

 ところで、一説によると日本語の「雨」の表現は400種にも上るという。最近では、梅雨時期や台風シーズンの天気予報でよく耳にする大雨警報の「大雨」、気象変動が原因とされるゲリラ豪雨の「豪雨」などが新しい。図らずも耳になじんでしまったのは、悲しいかな、気候変動の影響が、私たちの日常に知らぬ間に影を落としたことなのだろうか。時代や社会の変化に応じて生まれる新しい言葉は、生き物のようだ。

 私は雨の表現をどれ程知っているだろう。ここに揚げてみる。

「梅雨」、「大雨」と「豪雨」は抜きにして、
小雨、五月雨、小糠雨、天気雨、 通り雨、時雨、
涙雨、秋雨、雷雨、 氷雨、酸性雨、土砂降り

などしか思い浮かばない。

アスファルトに降り注ぐ雨

 季節や降り方によって、日本人は雨の表現を使い分けていた。雨の多い地域だからとされている。 話が横道にずれるが、英語では「考える」の語が多いという話を聞いたことがある。英語圏では論理的に物事を考え、その自分の考えを相手に説明することが大事だとされているからがその理由のようである。

 さて、雨が降る仕組みを簡単に言うと、太陽が海や川を温め、温められた海や川、地面の水蒸気が上昇気流に乗って空に昇り、雲となって空に溜まる。水分が溜まって重くなると、雨になって地上に降る。

 また、高度が高くなるほど気温が下がるため、水蒸気の粒は氷になり、大きくなった氷の粒は重みで落ち始め、その氷の粒に水の粒がどんどん付いて大きくなりながら雪の結晶となり、落ちてくる。下がるほど気温が上がるため、雪の結晶が融けて雨となり地上に降り注ぐのだが、気温の低い冬には、融けることなくそのまま雪として降ってくる。だから厳冬期には、雪が積もるのだ。

 そう言えば、雨の降り始めや雨上がりに「におい」を感じたことはないだろうか。植物の油や土に住むバクテリアによって作り出されるものだそうだ。雨が降った後は、どことなく空気がきれいになった感じがし、遠くの山を見ると、いつもよりはっきり見えた経験はないだろうか。雨粒が大気中の汚染物質の粒子などを引きつけ、洗い流す浄化作用によるものとされている。雨の日、傘をさして外に行くのは、とても億劫だし、何日も雨が続くと憂鬱な気分となるのは私だけであろうか。梅雨の時期に、太陽を見たことを忘れるくらい雨が続く年もあったし、不幸にも災害をもたらす豪雨も近年世界中で頻発している。これ以上、自然が牙を剥かないことを強く願うばかりだ。

緑雨の後、晴れ

 結びに、困難に直面した時、自分に言い聞かせることがある。「雨が降るから、虹が出る。」ということばだ。何か新しいことに挑戦すると必ず壁に当たる。

 しかし、いつでも、どんなことでも諦めずに続けることで、いつか、きっと虹がかかると信じている。

書き人知らず

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