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【R6葛高213・orange】オレンジ色の風に乗せて(睦月)~大寒~
窓の外には粉雪が舞っている。以前、テレビの関東エリアからの中継映像で、アナウンサーの「粉雪が降っています」というリポートを見たとき、「これが粉雪?」と思った記憶がある。さらさらの粉雪は、傘を差さずに歩いても濡れることはなく、樹木や電線などへ着雪することもない。真冬日のようにとても気温の低い時に舞うさらさらの雪、それが私の中の粉雪だからだ。
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さて、今は二十四節気の大寒である。葛巻町の冬の気候について文献(葛巻町誌第1巻)で調べてみたので紹介したいと思う。この文献は、まだ天気予報の精度が低く、予報エリアも大雑把だったころのものなので、それこそ葛巻町に古くから伝わることや地形的なことをもとによく考察されており、大変興味深い。
まず、葛巻町は1000m級の山々に囲まれているということから、岩手県の内陸部とも沿岸部とも遮断されている。そのため、葛巻町は岩手の内陸の天気とも沿岸の天気とも異なる独特の天気だという捉え方があり、「葛巻方気象」と呼ぶ町民もいたそうである。雪については、10月下旬頃から小雪がちらつき始めることが多いが、積雪はそれほど多くない。葛巻地方では、雪が長時間降り続くことも滅多になく、朝は快晴でも急に雪が降り出し、「本格的な大雪か」と思っているとい1時間も続かずに青空が広がる。このような天候を繰り返すケースが非常に多いのだそうだ。天気が急変するのは山岳型と言えるが、そのテンポが速いのが葛巻の特徴でもあり、そうしたことから葛巻の冬は「比較的雪は少なくて寒い」という表現が合うのだそうだ。
冬のよく晴れた夜は放射冷却現象により、宵の口からシバレる日が多い。シバレたときは、人の足音が「キュッ、キュッ」とシバレ特有の雪の摩擦音となって周囲に響くのである。
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以上、こうした知識をもったうえで、毎日窓の外の景色を眺めていると、近年の温暖化で当てはまらない部分はあるものの、シナリオ通りの天気の変化に驚かされるのである。
高校入学を機に遠方から葛巻町にきた生徒の皆さんには、シバレたときに足元から聞こえる「キュッ、キュッ」という音を是非聞いてほしい。いい音だよ。そして音もそうだが、その時の足の裏の心地よい感触もおすすめだ。思わずツイスト!そして、それくらいシバレている時は、鼻からゆっくりと冷えた空気を吸い込んでみよう。鼻の中に異変が!(これは自己責任で)
2月が来ればすぐに立春となってしまう。もうしばらくは、寒さを楽しもうではありませんか。